8月2日にKOBO CAFEにてミステリイベントが行なわれました。
KOBO CAFEは毎週末、中野ブロードウェイ四階で営業されている喫茶店です。
隔週でいろんな作家さんのイベントが開催されており、
またここでしか読めない短編小冊子を買うことができます。
今回はその順番が僕に回ってきまして、
短編小冊子と連動したミステリイベントを開くことになりました。
KOBO CAFEで原稿を執筆していた作家が殺害され、
テーブルには原稿用紙の束が置かれていた……
というような内容の小冊子がまず手渡されますが、
その原稿用紙の束こそがまさにいま読者が手にした小冊子であり、、
小説内の事件現場がまさに読者がいまいるKOBO CAFEなのです。
小説の最後に書かれたメッセージに従って、
冊子と一緒についてきたコーヒーカップの底を見てみると、
「アリスを探せ」という謎の言葉が。
店内に散らばっているアリス関連の本を開くと、
そこにはさらに暗号のようなメッセージが……
といった具合に、読者はいつのまにか小説内の殺人事件に巻き込まれ、
重要な「失われた証拠品」を探すために、
中野ブロードウェイ内を「探偵」することになります。
詳しい内容についてはKOBO CAFEのブログを見るか、
いずれ何らかの形で発表されるレポートを参照していただきたいと思います。
結果として70人くらいがイベントに参加し、
21人が「失われた証拠品」を手に入れました。
手に入れられなかった人も、
現在ではKOBO CAFE内で「失われた証拠品」を展示してますので、
もう一度足を運んでみてください。
イベント開始当初、参加者はそれぞれ単独で行動していたようですが、
時間がなくなってくるにつれ、解けない人同士が協力し、
一緒に答えを見つけようと動いていたようです。
自分の知識や発想だけで補えない点は、
携帯電話やネット、他の参加者からの情報などを参考にしてもらう、
というのをある程度前提にしていたので、
結果的にはだいたい理想通りの展開になったと思います。
とはいえ裏側ではいろいろとイレギュラーな事態も起こっていたのですが、
それでも第一回目のミステリイベントとしてはまずまず成功だったと思います。
「もう一度やってほしい」という声もたくさんいただいたので、
今回の反省点などをふまえて次回はもっと楽しいミステリイベントにしたいです。
参加された方、またKOBO CAFEスタッフとBOX編集部の皆様、
最後まで本当にありがとうございました。
ちなみに短編小冊子は今週末まで販売しています。
残りは18冊です。手書きの原稿用紙をそのままスキャンして冊子にしているので、
世にも珍しい小説になっています。
イベントに参加していなくとも、
一本のミステリとして読めるようになっているので、
興味のある方はぜひ金土日にKOBO CAFEまで足を運んで読んでみてください。
(※ただし今週末はファウスト関連のイベントがあるため、
営業時間に若干の変更などがありますのでご注意ください)
今回僕が第一に考えたのが「ライブ」であり、
読者に「ライブ」の感覚を味わっていただきたかった、
というのがイベントの発端になりました。
手書き原稿というのもその発想からきており、
小説内の事件を直に体験するというのも、「ライブ」の一環です。
小説家は音楽家と違って生で自分の作品を発表するということができません。
だからこそどうにかして「ライブ」として作品を提示できないか……
この考えに共感してくれたがKOBO CAFEのオーナーである渡辺浩弐さんで、
結果、中野ブロードウェイ全体を使ったミステリイベントという企画に繋がりました。
かつてミステリが探偵小説と呼ばれていた時代、
文豪たちは犯人当て小説を持ち寄って推理に興じていました。
ミステリの楽しみ方というのは本来そういったものなのかもしれません。
あちこちに散らばった謎の数々を一生懸命解き明かそうと、
難しい顔をして腕組みしている参加者の方々を思い出すと、
そんなふうに思われてなりません。
さて、話は変わって、「ファウスト」7号。
都内では今日あたりから本屋さんに並び始めるのではないでしょうか。
8月4日、佐藤友哉さん小柳粒男さん、そして編集部のみなさんと一緒に
製本所へ見学に行き、ファウストが本になる過程をしっかり見てきました。
本来なら五冊くらいまとめて重ねて縁をカットする機械があるのですが、
とんでもなく分厚いファウストは一冊しか機械に入らないそうです。
目の前で作られていく大量のファウストが、
日本全国の本屋さんへと配られていくことになります。
とすれば、この工場はまさに大河の源流。
レンガブロックのように積み上げられたファウストの山は壮観でした。
僕が書いた例のシリーズの短編も載っていますので、
ぜひ見つけたらお買い求めください。
それから今月初旬に出る「ミステリーズ!」にも短編が載っています。
今月の「ミステリーズ!」では、
装丁イラストで大暴れしてるウサギ団の秘密を特集しています。
この謎のウサギ団、ちょっと気になってたんですよね。